전편까지 줄거리…

메어리 "역시 파혼은 아니지!"
루나 "뭐야 그런 말 들은 적없어"
작가 "뭐야 그런 말 들은 적없어"
루니 "엑"

오랫만입니다. 부디 잘 부탁드립니다.


"역시 앨트님 성격이 교육 탓이니라면 그 원흉을 때려 고쳐야한다고 생각해"

점점 따듯해지며 봄 기운이 흐르는 어느 날. 평소보다 살짝 거칠게 흔들리는 마차 안에서 갑자기 메어리가 그런 말을 입에 담았다. 옆에 앉은 루나는 메어리가 당치도 않은 말을 꺼낸 것은 평소랑 안 다르다고 생각하며 도끼눈을 뜨며 이야기를 진행하기 위해 일단 대답하기로 했다.

"아기님, 갑자기 무슨 말씀이십니까."
"앨트님을 어찌해야 정신을 차리게 할 수 있을까, 그 방법을 생각하고 있었어. 역시 문제는 근본부터 해결해야 하는 걸까, 라는 생각이 들어서"
"어… 즉 무슨 말씀입니까?"

평정하게 묻는 루나에게 메어리도 아무렇지도 않다는 듯히 대답했다.

"그러니까, 앨트님의 아버님인 아미앵후를 설득해서 개심시켜 달라고 부탁하려는 계획이야"
"스스로 난이도를 올려서 무슨 일을 하고 싶은 겁니까?"
"신랄하네… 그렇게 안될 것같아?"

불만인 듯한 메어리지만 뭐어 정말로 잘 될 거라고는 생각하지 않지만 어째선지 재미있어 하는 듯한 태도로 루나에게 다시 질문한다. 그런 메어리의 태도를 알아차리며 이대로 적당히 흘려넘기면 자신의 주인님은 정말로 할지도 모른다는 것을 아는 루나는 진지하게 답을 내놓는다.

"된다 안된다 하기 이전에 무리죠. 나이가 비슷한 앨트… 님은 둘째치고 그 아버님이라니, 우리같은 소녀따위가 이러라 저러라 할 수 있는 사람이 아닙니다. 그야말로 연륜이 차이납니다."
"그것도 그러네… 그럼 이 안은 없던 걸로 하자"

생각과 달리 쉽게 제안을 물린 메어리로 마음을 놓자 바로 또 메어리가 뭔가 떠올린 듯이 입을 열었다.

"그럼 이런 작전은 어떨까"
"안됩니다"

쌀쌀맞았다.

"있잖아, 이야기만이라도 들어줄래?"
"그렇게 슬프다는 듯한 표정짓지 않으셔도 있다가 듣겠습니다. 자, 도착했어요"

창 밖을 보고 레나가 그렇게 말하자 메어리는 아쉽다는 듯이 숨을 뱉었다. 하지만

 しかし、このときメアリの話をきちんと聞いていなかったことを、ルナはのちに後悔することになるのだが。


 そんな可能性に思い至るわけもないルナは馬車の扉を開け外に出ると、先ほどまでの無表情からうってかわって、にこやかな表情でメアリのほうへ振り向いた。


「到着しましたよ、メアリ様。王立学院、今日の試験会場です」


 * * * * *


 王立学院は王都中央のやや西よりに位置する、この王国最大の教育機関だ。学院には3つの学科があり、それぞれ普通科、騎士科、魔術科で構成されている。

 おもに貴族の子女のための教育機関だが、貴族のみが入学を許される普通科以外の学科では、試験に受かりさえすれば平民であっても入学することができる。


 普通科は貴族の子女、とくに家を継ぐ可能性が高い長子や国政に関わることになる者が通い、領地経営、外交、軍事等、貴族として国を支えるために必要な事柄を学ぶ。

 この学科は貴族であれば誰でも入ることができ、試験は個人の身分と能力を見てクラス分けをするためのだけのものだ。平民がこの科に入ることはない。


 騎士科は、騎士団はもちろん近衛や参謀、軍の役職者など、軍属でもそれなりに高位の役職につく人材を育てる学科だ。

 貴族の中では普通科に入る意味があまりない、勉強が苦手な者や三男以降が入ることが多い。また数は少ないが女性が入ることもある。

 試験内容は試験官との模擬戦に比重がおかれていて、筆記もなくはないがあまり重要視されない。

 平民の受験者にとっては、騎士とは騎士爵という爵位をもらって貴族の仲間入りをすることを意味するため、合格のボーダーは高く、貴族を含めた上位30人に入った者だけが入学を許される。


 魔術科は、魔術師を育成し、魔術師団やその参謀となる人員の確保を目的としている。

 試験内容は魔力量の測定と魔力操作の実演だ。

 その場で魔力の扱いの簡単な解説があるので、魔力を持っていることだけわかっているような下級貴族や平民でもきちんと合格することができる。

 この学科での優劣はほとんどが生まれもっての資質で決まるため、平民であっても魔力量が多く才能ある者は誰でも入ることができ、貴族であっても魔力と才能がなければ容赦なく落とされることになる。


 貴族の子女はどの学科でも、とにかく4年間王立学院に通うことを義務づけられていて、教育過程の修了とともに正式な貴族になる。

 つまり、学院に来なかった場合は家を継ぐ事はもちろん、国の運営にかかわるすべての役職に就くことができないのだ。

 そのため、騎士科もしくは魔術科の試験を受け、落ちた貴族は自動的に普通科に入学することになる。


 それでも、下級貴族は自前で家庭教師をつけるよりも安く、高水準の教育を受けさせることができ、さらには大貴族とのパイプを繋ぐために。

 大貴族は、この学院をそうした下級貴族のあつかいを子どもたちに覚えさせる社交の練習の場とみなしているため、貴族から不満の声はない。


 また、学費はそれなりにかかるものの、毎年最初の試験で優秀な成績を修めれば特待生となり、学費や寮費、生活費などのすべてを免除してもらうことができる。


「そういうわけで、卒業したらほとんど食い扶持には困らないし、通うのにもお金がかからないかもってことで、優秀な平民出身の魔術師をたくさん輩出しているらしいわ」

「よく調べてますね、メアリ様。優秀な卵をかき集めている、ということですか」

「ええ、理に適っていると思うわ。身分に拘泥するよりよっぽどマシよ」


 今回ルナ達二人が受けるのは魔術科の試験だが、メアリは落ちても予定通り普通科に入ることになっているし、ルナは自分の魔力量をとうに把握していて、落ちる心配はほぼないと知っている。

 なので二人とも、試験会場にあって緊張などどこふく風とでもいうように落ち着いていた。


「ええと、試験会場は……」

「こちらのようよ。……珍しいわね、ルナがリサーチ不足だなんて」

「メイドとして来ているんじゃないですし、まあいいかなと」

「最近忙しそうにしているものね。まあいいわ、はやく行きましょ」